金田一少年の事件簿シリーズ全198話を完走した話

 

 

私と同じ世代の人たちは、きっと私と同じようにそれなりの思い出があるであろう作品。

 

 

そう、金田一少年の事件簿です

 

 

 

緞帳が降りると何も聞こえなくなると知ったのも金田一ナルコレプシーという病気を知ったのも金田一、老眼と近眼でレンズが異なると知ったのも金田一、烏の読み方を知ったのも金田一、特殊な血液型の存在を知ったのも金田一・・・。

 

 

私は堂本剛版のドラマ金田一と、97年から放送していた初期アニメの記憶がめちゃくちゃあります。

 

 

年齢を重ねると最近のことは忘れるが昔のことははっきりと覚えているようになるとよく言われますが、私が老いても忘れない記憶の一つは確実にこの金田一シリーズでしょう。

 

 

 

そもそも、なぜアニメ金田一少年の事件簿を観ることになったのか。

 

始まりは友人のゲーム配信視聴中のなにげない会話で、そういえば金田一のゲームがあったよね、という流れから実際にプレイしてみようと言う話になりました。

 

 それがこれ。

金田一少年の事件簿 悲報島 新たなる惨劇 PlayStation the Best
 

 

悲報島という名前に聞き覚えがあり、Netflixで配信も行われていたことから、私は金田一の記憶無駄に持っているマンとして予習のための視聴を宣言。

 

それをきっかけに結局全話完走にいたり、これだけの超大作を折角完走したのでブログも書こう!となったわけです。

 

金田一一

・犯人

・トリック

 

この3つにスポットを当てて書きますね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

金田一一

言わずと知れたシリーズの主人公。

じっちゃんの名にかけて謎を全て解いていくIQ180の高校生。

 

そんな金田一くんですが、令和の時代を生きていくことは到底不可能だろうなという驚異的なコンプラNG精神を持った奇跡の主人公です。

 

 

そもそもはゲームにもなった悲報島から始まったのですが、お決まりの「犯人はお前だ!」の場面で、度肝を抜かれるようなコンプラNG行為をかましてきます。

 

これがなければ全シリーズ完走しようと思わなかったかも知れない。

 

これだけでも確認してほしいくらい。

 

 

 

しかし、この衝撃的なコンプラ違反もシリーズを完走した今となっては犯人相手だしまぁ可愛いもんかと思えてしまうレベル。

 

金田一はとにもかくにも女の体のことしか考えておらず、抜群の推理力でもって難事件を解決してきたといっても到底許されない領域をゆうに超えてきます。

 

風呂場を覗くことを絶対に諦めず、スカートをめくり、初対面の女性にもガンガンいやらしい目を向け、タイムカプセルに同級生女子の下着を入れ、挙げ句の果てには中学生時代に美雪のパンツを盗むという行為までしています。

 

普通に犯罪。

 

犯人はお前だ。

 

 

 

子どもの頃は、普段は冴えないけど推理はすごくてかっこいい高校生と思っていましたが、大人になってみると絶対に社会に放ってはならない性犯罪者(推理もできるよ)にしか見えない。

 

回を重ねるごとに「どの面下げて犯人に説教こいてんだよ」という気持ちのフォントサイズがデカくなる。

 

マジで一回ちゃんと裁かれろ。

 

 

なんだかんだで美雪のことは大事にしている、とお思いの方も多いかもしれませんが、金田一は事件を通じて出会った速水玲香というアイドルにガンガン浮気心を働かせています。

 

玲香ちゃん自身も金田一にほの字なのも謎。

 

アイドルやりすぎてメンタルやられてると思うから、仕事調整してゆっくり休んでほしい。

 

にも関わらず、金田一は美雪に男性の影があると尾行をして盗撮したり、自分を棚に上げて大声で喚き立てるというモラハラ夫気質までバッチリ搭載済なんですよ。

 

美雪には早く目を覚ましてもらいたい。

 

ちなみに、金田一のいとこにあたる二三(ふみ)のセンスもなかなかのもので、小学生にしてweb漫画に出てくるステータス重視クソ女としての才能を遺憾なく発揮し、化粧っけのない女性刑事をサラッとブス呼ばわりしたり、写真撮影をお願いしてきた女性たちを整形だと言ったりもする。

怖い。

 

当時は月曜の19時に放送されていたんですよ。

今ならTwitterがお祭り状態になるんだろうな、と198話中300回くらい思ったよね。

 

 

 

 

・犯人

作品に欠かせないのは、ありとあらゆるトリックを駆使して殺人をかましてくる個性豊かな犯人たちです。

 

初期シリーズはわりと記憶にあったので「そうだそうだ、こいつ犯人だったわ」みたいな感じで楽しんでいたのですが、それでも延々と同じアニメを見続けていると違った感情や見え方が生まれてくるものなんですね。

 

 

顔の見えない登場人物がいると興奮するようになるんですよ。

 

金田一はお話が始まる前に登場人物の一覧が出るのですが、そこに素顔のわからない人間がいたときの高まりといったらないです。

 

 

顔に包帯、ゴムマスク、仮面、ゴムマスク、サングラスとマスク、ゴムマスク、とバリエーション豊かに素顔を隠した謎の人物が登場します。

 

中の人は大体犯人です。一人二役お疲れ。

 

 

シリーズ後半になると地獄の傀儡子こと高遠であるパターンもあります。

 

「こいつ、俺のことを知ってるのか?」じゃねぇよどう考えても高遠だろ気付けや、と思いながら観るの最高です。

 

 

 

そして犯人たちの多くは様々な名前がついているんですよね。

 

犯人以外の人間が、元々存在する噂や伝説から「○○の呪いよ!」みたいな感じで名前がわかるパターンもあるのですが、問題は自ら名乗ってくるパターン。

 

 

仏蘭西銀貨殺人事件」の犯人は脅迫をして駒として利用している人間に、電話口で「あなたは誰なの!?」と尋ねられます。

犯人は答えます。

 

「そうですねぇ、葬送銀貨とでも言っておきましょうか」

 

 

絶対事前に考えてるやつだし。

なんなら葬送銀貨は殺す相手の死装束としてドレスをサイズぴったりに縫い上げ、フランスの銀貨を添えて送りつけているんですよ。

こういう風習がフランスにはあるらしく、それを葬送銀貨と呼ぶそうです。

絶対間違いなくめちゃくちゃ考えて意味も持たせてる。

それなのに、あたかも今思いつきましたみたいなのやめよう。よくない。

あとで自分が大怪我するから。

関係者全員の前で「お前が葬送銀貨だ!」って言われるのわかってて観るの厳しい。

 

 

今も昔もインターネットにまともな人間はいないということを教えてくれる「電脳山荘殺人事件」でも、犯人は「電脳山荘殺人事件」「殺人者:トロイの木馬」とキーボードで打ち込んでいるくせに、葬送銀貨と同じノリで名乗ってきます。

本当によくない。

 

 

まだ予告状とか犯行声明文みたいなので名前を残しておくほうがマシ。

 

 

 

万が一、自分が連続殺人を犯さなければならない状況になったとしても、妙な名前と手間暇かけた見立ては絶対にやらないでおこうと心に誓いました。

みんなも気をつけて。

 

 

 

 

そして、これは2時間サスペンスでも間々あるギャラで犯人が誰かわかっちゃう問題にも通じるものなのですが、このキャラクターの声どこかで聞いたことある!と思ったらそいつが犯人である可能性が極めて高いです。

 

 

田中真弓大谷育江と続いた時はどうしてやろうかと思いました。

 

 

 

 

 

・トリック

これも作品を彩るために欠かせないアイテム。

漫画やアニメだからこその大胆さや派手さを兼ね備えたトリックは魅力的で、同じ密室でもよくこんなに多くの手段を思いつくなと感心させられます。

 

 

私はあの名作「雪夜叉伝説殺人事件」のトリックが大好きなのですが、初見だった新シリーズ金田一少年の事件簿Rでは、雪夜叉を遥かに凌ぐ衝撃トリックが次々と披露され心が躍りまくってしまったので、勝手にベスト5で紹介させていただきます。

あえて詳細には触れないので、是非みなさんの目で確かめてください。

 

 

 

 

5位 雪夜叉伝説殺人事件

先にも書いた初期の名作トリックです。

こちらのみ初期シリーズ。

犯人のやってTRYな強い気持ちと雪国のとんでも底力を感じられます。

 

 

 

 

4位 飛込プールの悪霊

犯人の努力と苦労に涙が出ます。

そもそもこれを思いつかないし、思いついてもやらないし、犯人自身へのリスクもすごい。

そもそもバレるだろあんなの。

珍しい1話完結ものですが、トリックのエッジの利き方は長編回に引けを取りません。

 

 

 

 

3位 錬金術殺人事件

犯人は工業高校出身か?と思わせる技術力と職人技で魅せるタイプのトリック。

誰にも目撃されなかったことが奇跡としか言いようがなく、作者側のどんな手段を使ってでも絶対に密室を作り上げるという情熱が生み出したであろう名作です。

 

 

 

 

2位 香港九龍財宝殺人事件

金属の無限の可能性と、それはもう魔法では?という奇跡の瞬間に立ち会えます。

Rになって最初の事件ということもあってか、日本を飛び出してのかなり大きな事件でその気合がうかがえます。

この規模感で見せられるこのトリックは震える。

 

 

 

 

1位 雪鬼伝説殺人事件

最終回の事件が余裕で霞むレベルの超絶トリック。

これをトリックと呼ぶとトリックにぶん殴られるだろうな、という犯人の常識に囚われない自由な発想から生まれたアメイジングすぎる荒技が拝めます。

律儀に着替える犯人と、急に怪人のディテール考えるの嫌になっちゃった?と不安になる雪鬼のキャラデザも味わい深いです。

 

 

 

 

 

 

番外1 墓場島殺人事件

トリックとは別の部分でのオススメなのですが、慣れないことを急にやりはじめたことに対する動揺、突然の置いてけぼりをくらった衝撃、そしてアンナチュラルにおけるlemonを見習えと叫びたくなったあの気持ちを共有したいので挙げておきます。

これ単体だといまいち伝わらないと思うので、5つか6つくらいの事件を解決したのちにどうぞ。

 

 

 

番外2 金田一少年の殺人

ただのSASUKE。

 

 

 

以上です。

 

 

 

 

○○してたあの回どれだっけ?という質問にもお答えできる状態ではありますが、

 

山荘(ロッジ、コテージ)

 

これらのヒントはノーヒントとほぼ同じなので気をつけてほしいです。

もう行くなよ金田一

 

 

本土との連絡船は指定の日まで来ないか台風で流されたか、犯人がロープを切ったかのどれかです。

ついに船ごと燃やした回はアツかった。

携帯は電波が届かないか持ち込みを禁止されているか。

電話線は切られています。

 

 

 

 

 

ここまで書き綴っておきながら、絶対に観て!と強く言えないところが金田一のいいところだなと改めて感じながら締めの言葉を考えています。

あれだけ寸暇を惜しんで必死に観たのに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ちょっと気になって調べてみたら、名探偵コナンは2020年8月現在970話を突破しているようです。

 

そう思うと、198話ってすぐやれそうじゃないですか?

どうです?

 

 

おわり