事件は自宅で発生させる話
世の中とんでもないことになっていますね。
必要な外出であっても石を投げられそうな今、みんな色んなお家エンタメを教えてくれるけど、本のオススメしてくれる人がなかなか出てこない。
なので、ミステリー小説大好き妖怪の私がものすごく偏ったオススメをまとめてみました。
読書はいいですよ。
私はバンドとジャニーズと芸人の掛け持ちをしている、世間一般からするとなかなかにヤバい側の人間なのですが、本を読んでいるというただ一点だけでそのヤバさが帳消しになる瞬間が多々ありました。
「ミステリーばかり読んでいるので、基本年がら年中人が死んでいる状態」
「事件が起きるのは早ければ早いほうがいい。100ページ以内で2人死ぬと調子がいい」
こういうコメントをしてもなお、バンドのライブをハシゴしながらジャニーズのパンツに紙幣を挟むことを喜びとし、M-1で吐きそうになりながら最終的には泣くという事実を全部弾き飛ばして
読書をしている=賢いんですね
みたいな印象が勝る。
賢さは買える。
字だけの本は難しい!みたいに思ってる方もね、いらっしゃるかと思うんですよ。
全然難しくないです。
安田章大さんはミニオンとお友達で移動はユニコーン、自宅の玄関ドアはエクレアでできていて、わたあめのお布団で寝るの。
これを真顔で言う私でも読めているので!
ただ、これらはすべて事実なんですけどね。
そんな感じです。
Amazonのリンク貼ってあるけど、アフィリエイトじゃないです。
「 なんでもいいからオススメ教えて!と言われた時にオススメしているやつ」
・13階段 高野和明
殺人の罪で服役していた青年と刑務官が、冤罪の可能性のある過去の事件を追っていく話。
あの横山裕さんもオススメしていた作品。
とても映像的な文章を書く作家さんだなと思っていたら、高野さんはかつて映画監督を目指していたとのことで納得。
後半はそのスピード感で息切れするくらいの面白さ。
・ハサミ男 殊能将之
ミステリーのトリックには色々と種類があるんですよ。
この作品は「叙述トリック」と呼ばれるものが使われています。
ネタバレだ!と思うかもしれませんが、叙述トリックもの界の爆裂有名作品として鎮座している一冊なので、叙述トリックがなんなのかを知っている人も、そんなの初めて知ったよという人も、殊能さんの世界に翻弄されてみてください。
ハサミ男は一体誰だ!?
映画化もされました。
私は、この本を読んだこともなければ映画も観ていない、全くストーリーを知らない、という人がうらやましくてたまらないです。
東野圭吾?あぁ、なんかいっぱい映像化されてて有名だよね、くらいの熱量の人にこそ読んでほしい。
全てが明らかになった時、私は言葉を失いました。
・新参者 東野圭吾
こちらもドラマ化、映画化された人気の加賀恭一郎シリーズです。
尖ったHPでお馴染み阿部寛さんのあれです。
シリーズの一作目ではありませんが、私はこれで加賀恭一郎に出会い、なんの問題もなく楽しめました!
短編集のような形をとりながら、一つの事件の真相にたどり着いていくので、長編を読むのは体力がいるな…という方でも手を出しやすいと思います。
余談ですが、シリーズの中では「眠りの森」が一番好きです。
・満願 米澤穂信
こちらは完全なる短編集。
みんなのえるたそ、氷菓の原作を書かれた作家さんです。
ホラーの要素もある作品ですが、幽霊どうこうではなく具体的にちゃんと人間が怖い系のやつです。
一つ一つのお話が短いながらも濃密で、収録されている「万灯」は長編を読んだかのような感覚にもなりました。
世にも奇妙な物語やブラックミラーがお好きな方は是非!
「読後の攻略感が増すよね!上下巻モノ」
・いつもの朝に
遺伝だとか過去の罪だとか、かなり重いテーマのストーリー。
それでもミステリーとしての質の高さと、今邑さんの読みやすくテンポのよい展開でどんどんページをめくってしまう作品です。
私は、きっとこういう展開になるんだろうなという予想を上巻で見事に裏切られ、駆け足で下巻に飛び込みました。
重たいだけでは終わらない、家族にまつわるお話です。
・贖い 五十嵐貴久
記憶を消してもう一度読みたい作品の一つ。
バラバラの土地で発生した殺人事件、読み始めた私は「え…まだページこんなにあるけどどうするの?」となりました。
私がゴールだと思っていた場所は、ただの通過点でしかなかった…。
作品にめちゃくちゃ入り込んでいたので、最後は一緒に警察車両に乗り込み、急いで!!と叫んでいたので、皆さんも叫んでください。
・犯罪者 太田愛
相棒の脚本を手掛けたこともある方が小説家としてデビューしました。
ここでCM入るな、とか、ここでBGM流れてくるな、みたいなことが読んでいく中で自然と見えてくるのはさすがですし、キャラクターや展開を取っても、今すぐスペシャルドラマにして二夜連続で放送しろ!という感情がゴリゴリに湧いてきます。
全ての始まりは白昼の通り魔事件。
エンタテインメント性は抜群に高いです!
幻夏、天上の葦とシリーズが続くので、主要な登場人物に魅せられた方はそちらもどうぞ。
「ただの趣味」
・絶叫 葉真中顕
無茶苦茶面白いけど無茶苦茶重い。
一人の女性の人生が綴られているのですが、それがとんでもない転落ぶり。
でも、現実にどこかであるかもしれないと思わせてくる力のある作品です。
かなり社会派な内容ですが、はっとするミステリー要素もしっかりあります!
私は本筋とは関係ない、ある部分で背筋が凍りました。
・乱反射 貫井徳郎
大好きな作家さんです。
幼い子どもの命が奪われた痛ましい事故。
なぜ事故は起きてしまったのかを、様々な人物の日々の暮らしから紐解きます。
読み終わった時、私もきっと誰かを殺しているに違いないと思わされた。
一人一人の行動に多くの人が敏感になってる今、人によっては刺さりすぎてしまう内容かもしれないです。
・ ラバーソウル 井上夢人
同じ年に読んだ本の中でぶっちぎりの一位に輝いた作品。
ストーカー男性の偏愛とその日々。
容姿を差っ引いても見事なまでに気持ちが悪く、女性は殊更読んでいて恐怖を覚えると思います。
600ページを超えるボリュームで心が折れそうになるかもしれませんが、あるサイトに書き込まれていた「このページ数の多さは彼の愛の数」という感想の意味を、是非ご自身で確認してもらいたいです。
以上です。
今すぐじゃなくても、本を読む気分になった時の参考になれば幸いです。
細かいことを言うとまだまだ読んでほしい作品はあるので、こんな感じのやつない?みたいな、具体的な要望があればLINEでもリプライでもご連絡ください。
人が死なない話は基本管轄外です。
・dele 本多孝好
小説の真柴くん(菅田将暉)は猫を飼っている。
すぐに読め。
おわり